かゆい、目やにが出る
かゆい(掻痒感)
まぶたの裏側と白目の表面に存在する結膜が炎症を起こすことで生じます。
炎症を起こす疾患と原因
アレルギー性結膜炎
目の痒みや、涙が多く出たり目やにを伴うことがあり、ときには白目がぶよぶよと腫れることもあります。
痒みを起こす代表的な病気です。
- 通年性
ほぼ1年を通して引き起こされるもの。
代表的な原因:ダニ、ハウスダストやペットの毛 - 季節性
毎年決まった時期に引き起こされるもの。
代表的な原因:スギ、ヒノキの花粉 - 春期カタル
アレルギー性結膜炎が慢性的に長く続いて重症化すると、まぶたの裏に石垣のようなゴツゴツとしたもの(乳頭)が現れ、痒み以外に強い異物感が出現し、学童期の男児に多くみられます。
感染性結膜炎
細菌やウイルスなどの感染が原因の結膜炎
ドライアイ
目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる病気です。目の表面に傷を伴うことがあります。
眼瞼炎(ただれ目)
症状が続く場合は我慢せずに眼科医に相談しましょう。
目やにが出る
涙に含まれているムチンという物質が眼表面の不要なものをからめ取ってできたもので、脱落した上皮、血液中の細胞、病原体などで構成されています。起床時に眼の周りに少量ついているものは問題ありませんが、日中も目やにが出て量が多い場合は注意が必要です。
透明からクリーム状の目やにまで色々な性状と原因がありますが、両目に1ヶ月以上続くときはアレルギー性結膜炎やドライアイなどが原因となります。このように目やにの原因はさまざまですが、中には重篤な疾患が隠れていることもあるので、気になる場合は眼科医に相談しましょう。
目やに性状による代表的な原因
黄白色でネバネバ、ドロっとした目やにが出る場合
細菌や真菌(カビ)が原因であることが多く、主に片目のみに発症します。肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌などによるものが代表的です。
ただし、クリーム状の膿のような大量の目やにが出た場合は、性感染症である淋菌が原因である可能性が高く、経過によっては角膜穿孔を起こす危険性があるため注意が必要です。
サラサラとした目やにが出る場合
ウイルスが原因であることが多く、両目に発症します。透明なことが多く、涙が増えたと感じることもあります。流行性角結膜炎は、いわゆる「はやり目」と呼ばれるもので、アデノウイルス8型などが原因です。潜伏期は7日~10日で、非常に感染力が強いため、家庭内感染に注意が必要です。咽頭結膜炎は「プール熱」とも呼ばれ、夏かぜに伴う結膜炎で小児に好発します。アデノウイルス3型などが原因です。
早めに対処しないと、感染が家族やまわりの方に広がるだけでなく、後遺症として角膜混濁がのこり、視力がしばらく低下したり、小児においては弱視(視力の発達障害)つながることがあります。