結膜炎

結膜と呼ばれる白目の炎症です

症状

かゆみ(掻痒感)や痛み

まぶたの裏側と白目の表面に存在する結膜が炎症を起こすことで生じます。

炎症を起こす原因による分類

アレルギー性結膜炎

目の痒みや、涙が多く出たり目やにを伴うことがあり、ときには白目がぶよぶよと腫れることもあります。

痒みを起こす代表的な病気です。

原因による分類

通年性

ほぼ1年を通して引き起こされるもの。

代表的な原因:ダニ、ハウスダストやペットの毛、コンタクトレンズの汚れ

季節性

毎年決まった時期に引き起こされるもの(いわゆる花粉症など)

・スギ花粉(時期:1~5月)
・ヒノキ花粉(時期:3~5月)
・モガヤ花粉(時期:5~7月)
・ブタクサ花粉(時期:8~10月)

春期カタル

アレルギー性結膜炎が慢性的に長く続いて重症化すると、まぶたの裏に石垣のようなゴツゴツとしたもの(乳頭)が現れ、痒み以外に強い異物感が出現し、学童期の男児に多くみられます。

治療

目薬を処方して、日常生活に支障がないように、かゆみの症状を軽くすることが中心となります。

主に抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエータ遊離抑制薬)が、使われます。

重症の場合には、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬などを使用する場合があります。

また、鼻炎症状がある場合、抗アレルギー剤の内服をすると、目の症状にも効果があります。

花粉症

花粉症とは

植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギー性疾患の総称です。目のかゆみなどの目の症状、くしゃみ、鼻水などの鼻の症状、時には掻痒感などの皮膚症状が出ることもあります。

患者数は年々増加傾向で、国民のおよそ42.5%が花粉症にかかっていると推測されています。とりわけ、全国の森林の18%を占めるといわれるスギの花粉による花粉症の患者が多く、2019年の全国調査では、スギ花粉症の有病率は38.8%と増加傾向にあります。

初期療法 毎年の花粉症対策に

アレルギー性結膜炎、鼻炎のなかでも、症状の出やすい時期が予測できる花粉などが原因のアレルギー症状の場合には、『初期療法』という考え方が適用されます。
症状が出る前の、花粉飛散時期の約2週間前から、または症状が少しでも現れたら、抗アレルギー点眼薬や内服による治療を始める方法です。
事前に点眼や内服を開始しておくと、花粉飛散ピーク時の症状が軽くなります。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に眼科を受診することをおすすめします。

当院でも点眼薬はもちろん、点鼻薬、内服治療もしております。

便利な花粉症用アプリ

地域ごとに詳しい花粉の情報を教えてくれます。

感染性結膜炎

細菌やウイルスなどの感染が原因の結膜炎

ウイルス性結膜炎

ウイルスの多くはアデノウイルスです。アデノウイルスは感染力が強く、多くの場合は人から人へと感染するので、注意が必要です。「はやり目」や「プール熱」もアデノウイルスによる感染性結膜炎です。

治療

アデノウイルスに対する有効な薬剤はありません。

しかし、細菌による2次感染予防に抗菌の目薬や、不快な症状を和らげる目的で、炎症を鎮める効果のある非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬が使用されます。

細菌性結膜炎

細菌による結膜炎です。通常の主な原因菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。

黄色ブドウ球菌は、健康な人ののどや鼻、皮膚、手指、毛髪、腸管などにも分布しています。感染力が弱いため、感染の危険は大きくありませんが、目にケガをしたとき、病気などで身体の抵抗力が落ちたとき、子どもの場合は、感染しやすくなります。

ただし、注意すべき結膜炎があります。

一つは大人でクリーム状の目やにが大量に出た場合は、淋菌性結膜炎の可能性があります。

感染力と12~48時間後に充血、目やにが現れる足の速い結膜炎です。淋菌が目の組織を溶かしてしまうスピードが速いため、クリーム状の目やにができます。

重度の眼瞼浮腫,結膜浮腫,および大量の膿性滲出液が典型的です。まれな合併症には,角膜潰瘍,角膜膿瘍,角膜穿孔,全眼球炎,および失明などがあります。しかも一般的な保険で使う抗菌薬では効果が薄く、大きな病院に紹介のうえ、点滴で使う抗生剤を目薬にカスタムする必要がある場合もあります。

2つめ、クラミジア感染によって生じる結膜炎では,症状が生後5~14日以内に現れます。初期は前述のアデノウイルスによる結膜炎との区別がつきにくく、いずれの症状も両眼性の強いぶつぶつができる結膜炎で,眼瞼浮腫,結膜浮腫,およびネチャネチャした膿みたいな目やにがでます。性器にも感染している可能性が高く、放置すると不妊の原因となり得ます。

治療

抗菌点眼薬による治療が基本となります。細菌の種類によっては、抗菌眼軟膏や抗菌内服薬も必要となります。治療が適切な場合は、約1~2週間で完治します。

タイトルとURLをコピーしました